Привет!!(プリビエイト)
みなさんこんにちは、ウクライナの首都キエフでインターンシップをしています冨永佳奈子です。
私が参加しているプロジェクトは、ウクライナを観光地化するためのプロモーション活動を行っています。
毎日のように様々な観光地に赴き、ウクライナの文化を肌で感じています。
2回目の記事となる今回は、最近訪れた中で最も印象深かった場所について書こうと思います。

大聖堂の中にあるベルタワーにインターン生と登ったときの写真
キエフの街並みや、パステルカラーの建物を見ると、自分がヨーロッパにいることを実感しますが、同時に西洋のそれとはどこか違う雰囲気も感じることができるんです。
その違いを生んでいる理由の一つに宗教があるのではないかと思います。
キエフにある教会のほとんどは東方教会のものです。
ちなみにカトリックやプロテスタントは西方教会にあたります。
東方教会にあたるのはギリシャ正教、ロシア正教などです。
同じキリスト教なのにここまで違うのかというほど、教会の外観、色使いには驚きました。

パステルブルーの教会。ウクライナの教会はカラフル。
私たちがこの日訪れたのはPechersk Lavra Monestry という11世紀に建てられたウクライナの総本山と言われる世界遺産の修道院。
この修道院の必見はなんといっても地下洞窟。
この日は宗教上の祝日でたくさんの信者で溢れていました。
地下洞窟の中はとても神聖な場所なので、女性は露出を控えスカーフで頭を覆い、入場する際にはろうそくを買うことが義務付けられています。
洞窟に入ると中は真っ暗で、先頭のガイドさんが持つロウソクの光だけが頼りです。
白く塗られた壁の道は狭く、長く、時々二手に分かれたり、小さな部屋のような場所に辿り着いたり、まるで迷路のようです。
道の途中途中に棺があり、その近くの壁に棺の中の人だと思われる肖像画が飾られています。
ロウソクで照らしてよく見てみるとその棺の豪華さに驚きました。
グリーンやブルーの布には金や宝石のようなものがちりばめられているのですがその棺の穴から出ているのはなんとミイラの手。
ガイドさんによると自然とミイラ化されたものらしく、皮膚が真っ黒になっています。
少し不気味な感じもしますが、よくこんなにきれいな状態で保存されているなとまじまじと見てしまいました。

印象的な赤い花と後ろに見えるペチェルスカ修道院の緑の屋根
小さい子供たちから年配の人たちまで皆ロウソクを持ち、一つ一つの棺に祈りをささげ、キスをしたり、イコンを眺めたり優しくなでたりしていました。
人々が巡礼している姿はとても美しく、狭い洞窟で聞こえるのは、ガイドさんの声と人々の祈りの言葉や息遣い。
言葉で表すのはとても難しいのですが、独特な宗教観を持つ日本人だからこそ、自分の宗教観に対する視野が広がるのと同時に、宗教の「Power」を感じた忘れられない一日となりました。
「人は何のために祈るのだろう」
「宗教っていったい何なのだろう」
「その祈りの対象がないといけないくらい人間は儚く、それに頼らないと生きていけないのだろうか」。
答えが出ない問いを長い間考えていました。
私と同じプロジェクトでインターンをしている子たちの中には、イスラム教やキリスト教、ユダヤ教、そして無宗教の私、様々な宗教観を持った仲間がいます。
彼らはどんな気持ちで人々の祈りを見ていたのでしょうか。
誰が何を信じていようと、それを真っ直ぐに信じる心は美しいと思った私は間違っているでしょうか。
(ウクライナ キエフ発:慶應義塾大学 総合政策学部 2年 冨永 佳奈子)
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冨永佳奈子2015年夏海外インターンシップ体験記 ▼連載1『キエフで過ごして1週間』 http://voice.aiesec.jp/archives/5639
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