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半年休学してガーナへ!日本人ひとりで図書館をつくる!?――宮坂さんインタビュー連載vol.1

 

こんにちは。これから2回にわたって、アイセックOBでありJICA職員の宮坂和憲さんのインタビュー記事を連載します。

宮坂和憲さん経歴
・大学1〜3年までアイセックの運営側で活躍
・大学4年時に半年休学してガーナでインターン
・帰国し、日本でチョコレート作りのワークショップを始める
・卒業から就職までの半年間、ガーナに戻りカカオの生産から日本でのチョコレート販売まで手がける
・現在JICA職員として活躍中

初回は、宮坂さんが4年生のときに休学して行ったガーナのインターンシップについて聞いてみました!

一人で図書館を作り、チョコレートに出会う?波乱万丈なインターンとは!?

日本人一人で大奮闘!図書館をつくる!

長岡:宮坂さんはインターン中、村の図書館を作るプロジェクトを立ち上げたそうですね。それはどういう風に進めたのですか?


宮坂さん(以下宮坂):僕が最初にガーナへ渡ったのは2012年3月。インターン初期は、日本人が僕だけ、文化もちがう、他のインターン生はドイツ人ばかりという状況でした。自分の言いたいことをなかなか言えない状況だったんです。

そんな中、たまたま村に図書館があることを知りました。以前ドイツ人のインターン生が、建物を図書館として寄贈したけれど、中身は廃墟のままで。それをなんとかしようと自分から周りに働きかけたんです。

2週間かけて廃墟を掃除して、ネズミの死骸とかも全部取り除きました。だけれど、まだ本棚も机も何もない状態で。受け入れてくれていたNGOに頼んで、彼らの資金も少し使わせてもらって木材などを買ってきました。最初はドイツ人インターン生5人と一緒にやっていたけれど、興味を持った教え子たちが手伝ってくれたりもしたんです。

図書館の前で教え子たちと

あと、教え子の何人かのお父さんが大工さんだったので、協力をお願いしに行ったんです。
けれど、信頼関係がないと、彼らも警戒してしまう。たとえ僕が村の言葉を分かっても、コミュニティの外の人間というのに変わりはない。
だから、まず図書館プロジェクトの趣旨を説明して、お願いしました。

最初は彼らサボるし、作業が進まなかったけれど、途中、僕が何をしたいのかを彼らが気づく瞬間があった。
子ども達のための学習環境が少しずつ整っていく中で、僕が別に物をつくりたいわけじゃなくて、彼らの息子さん娘さんのためにこれを作りたいだって彼らが気づいたときに、すごく協力してくれるようになったんです。

子どもたちもそう。インターン開始時は、僕がいくら想いを伝えても、なかなか彼らの勉強に対する態度は変わらなかった。だけれど、夏期講習を僕自身で自主的にやって、教材も自分で準備していたら、子どもたちも変わって、必死になって僕の授業についてくるようになったんです。

机と椅子を作るのと同時進行で、ペンキを塗ったりカーペットを引いたり。日が沈むまで作業する日が続いて、5月の終わりくらいにやっとある程度完成しました。


長岡:ということは、なかなか自分の言いたいことが実行に移せないという状況から、自分が主導になるように変えていったのですね。それまでにどういう流れがあったのですか?


宮坂:他のインターン生は短期の人も多くて、なかなか限られた時間でこの村のために何をしようとか、考える時間が無くて、与えられた仕事をやるのがやっとといった感じでした。

自分が長期で滞在する唯一の人間で、村の言葉もだいぶ覚えて、村の人は全員僕のことを知ってくれていて、村に慣れてきていました。そのタイミングで図書館のことも重なったということもあったから、自分が主導で走り始めた感じですね。


長岡:図書館プロジェクトはその後どのように進んだのですか?


宮坂:6月に本も揃って図書館が完成したのだけれど、生徒たちが勉強しに来ない。日本人の子ども達と一緒でガーナの子ども達も勉強が苦手な子が多いですからね。
図書館に来てもらうために、イベントをやり始めたんです。折り紙教室やったり、お医者さんとか看護師さんとか、村出身で成功した人達を呼んで講演会を行ったり。

あとは、帰国までの1ヶ月で短期のインターン生に図書館プロジェクトを引き継ぐために、自分でNGOの人に日本人を面接したいって言って、アイセックを通して、6人の日本人学生に来てもらいました。

その中の一人が今「本当のガーナチョコレートを作るプロジェクト」現代表の野呂でした。
4年生もいたし、本当にみんな優秀な学生でした。
だけど彼は、当時まだ1年生で、初海外だったし、英語も全然できない。ただ彼がすごかったのは、真面目さと、現地にすぐ馴染んだことでした。

図書館は、夏休み期間中は僕が毎日朝早くに行って掃除して、8時に開けるようにしていました。子供達が来なかったとしても、朝から待機していました。
子どもたちはそういうところすごく見ているんです。

そんな時、彼は、まだ村の生活にも慣れてないはずなのに「みやさん、必ず行くんで起こしてください!」って言うんですよ。そういうことを繰り返すうちに、彼は村の人からすぐ名前覚えられたんですよね。子ども達もすぐなついて。
これも立派な彼の能力なんだなと思いました。

あとでお話する図書館で行った「チョコ作りワークショップ」も彼にいろいろ手伝ってもらったし、日本でワークショップを始めた時もサポートしてくれました。
その後、現地に戻ってチョコレート作ろうって決めた時にまず初めに彼に相談をして、一緒にやりたいって話をしましたね。

図書館プロジェクトを引き継ぎ、その後チョコレートプロジェクトも共に歩むことになる、野呂さんと。

長岡:インターンを通してその後ともに歩む仲間も見つけたのですね。


宮坂:そうですね。図書館で様々なイベントをやっていて、僕が帰国する直前に最後のイベントとして、「チョコ作りワークショップ」をやりました。

そしてガーナのチョコレートを極める!

長岡:どうしてチョコレートに目をつけたのですか?


宮坂:家庭訪問で家庭を30件くらい回って、職業などを聞いていたときに、7、8割の生徒がカカオ農家の子どもだと知ったんです。
よくテレビで、アフリカの子ども達はチョコを知らないっていうけれど、全然そんなことはなくて、チョコ味のクッキーもアイスも売っているし、みんな知っている。たまにおやつ感覚で食べますし。

でも、彼らはカカオからどうやってチョコが出来るのかを知りませんでした。
面白半分で、だったら、それをワークショップでやろうって思ったのがきっかけですね。


長岡:やってみてどうでしたか?


宮坂:やってみたら、今まであまり僕の言うことを聞かなかった子ども達が、そのワークショップのときだけは僕のいうこと聞いてくれて。(笑)

ワークショップの最後に、作ったチョコレートと僕が日本から持ってきたガーナのチョコレートを配ったんですが、村中から200人くらいの子ども達が来てくれたんです。
最後配るときに、ちっちゃい子もみんな一列に並んでくれて、「暑いから早くチョコ食べなきゃ!溶けちゃうよ!」って言っても、みんな大事そうに握りしめてて、手をドロドロにしながら食べたりしてるんですよ。

その光景がすごく印象的で、もっとこの活動をやりたいな、カカオのこともっと知りたいなって思ったんです。


長岡:それが日本でのプロジェクトにも繋がったのですね。


宮坂:そうですね、ワークショップを日本で始めたときは、まだ将来こういうことしようとか、ましてや現地に戻ってチョコ作ろうとか、あんまり考えてなくて。
純粋に自分の経験やガーナのことを日本の方に広めたいなと思って始めました。

でも、ワークショップをやりながら、チョコレートの業界の人やカカオに詳しい人と繋がっていく中で、カカオが面白いっていうことに気づいて。

どうやらカカオっていうのは、中南米が原産で、世界に3種類大きくあって、ガーナのカカオは、大量消費の商品向けで、品質も良くないと。で、とにかく数をたくさん作って、日本へ輸入していると。

でもガーナのカカオ豆を自分たちで焙煎とか工夫していったら、すごくおいしくなったんです。

だから、「別にガーナのカカオ豆だって魅力を引き出してあげれば美味しいじゃん!」って気付いたんですよ。で、いろいろカカオのことに詳しい人にいろいろ聞いてみると、ガーナのカカオの出せる風味や味を生かせるチョコレートがあるんじゃないっていうことを思い始めたんです。

その時は、アフリカのカカオ豆だから高級志向のチョコには向いてないと一般には思われていた。でも、いやそれは違うだろうと思って、じゃあガーナのカカオ豆から最高に美味しいチョコを作ってみようと思ったんです。

ガーナに戻り、現地のカカオ豆からチョコレート作りに取り組む

長岡:ワークショップだけでなく、ガーナのカカオから作ったチョコレートを日本のデパートで売ろうとしてきっかけはなんだったんですか?


宮坂:最初は、ワークショップを半年くらいやって、大学生活が終わるころに、現地でチョコ作りをしてみようという発想が出てきたんです。自分で手を動かしてゼロから作ってみようって。
自分の知っている村のカカオ農家の人と、カカオ豆の品質の向上も、チョコにする作業も自分たちでやって、日本へ輸出して、バレンタインに日本で販売してみようと。

それはやっぱり自分が、カカオ豆をちょっと工夫すれば、「Bean to bar」という豆の個性が生きたチョコになるっていうのを、ワークショップをやりながら知れた事が大きかったんです。
豆の産地が違えば、チョコにしたときに味も風味も変わるって面白いなって。

カカオに関する本を読むと、アフリカのカカオ豆はあまり美味しさや魅力を伝える本はそれほど無かったんです。でも、自分で作ってみたらおいしかった。
これ、豆の品質から手を入れたらもっと美味しくなるじゃんって思いました。
自分であの村のカカオ豆からチョコを作って、日本で売れたら、チョコ業界の人たちを驚かせるんじゃないかって。
それに、ガーナのチョコレートの概念が覆るんじゃないかなと。
そこで生まれた利益を村に返せたらいいじゃんって思ったんです。

別にそれで村のことを全部変えれる訳じゃないけれど、今後ガーナのこと、カカオ豆やチョコレートのことに自分自身が携わっていく中で、まず自分が0から10まで、カカオの生産から、チョコを売ってお客さんに届けるところまで、量とか規模は小さくていいから、全部自分の手でやってみようと思ったんです。
自分が全部ゼロからやらないと、ガーナのカカオの問題もわかんないだろうなっていう風に思いました。

それで大学卒業後に現地に帰って、今僕たちが支援しているジョンっていう男の子がいるんだけれど、彼の家族の農園を使って、カカオの品質向上からやってみようってチョコ作りは始まっていきました。それが2013年9月のことです。

ガーナでのカカオ生産から手がけ、日本で販売したチョコレート。

まとめ

たまたま訪れたガーナで、全力で自分にできることをする中で、挑戦が次の挑戦につながり、紐づくことで、チョコレートのプロジェクトまで辿りついたのですね。

後編は、学生のうちに身につけるべきものについてお話いただきます!お楽しみに!

宮坂さんのチョコレートも、きっかけは海外インターンから。
海外インターンに興味のある方はこちらから!
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JICA キャリア チョコレート
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長岡里奈

Written by 長岡里奈

慶應義塾大学2年。福岡育ち。AIESECでは主に営業活動・インターン生のサポートを担当。この夏にインドでインターンシップを経験し、AIESECのこと、インドのことをもっと広めたい!と思いながら記事を書いています。ソーシャルビジネスに興味アリ。

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