Maayong hapon!(ビサヤ語でこんにちは!)
名古屋大学工学部環境土木コース3年の鈴垣優です。
フィリピン・ダバオにあう、農業を中心とした地域開発を行う団体にてインターンシップをしています。
今回は、野菜を売りに訪れた広場での、ある一幕をご紹介したいと思います。
私のお世話になっているインターン先は、フルーツや野菜の有機栽培もしており、月に数回、毎週金曜日に市役所前にて開かれるオーガニック市場に出店しています。
市の農業課も、オーガニック農業を推進していることから、無料で市場を開催させていただいているとのこと。

インターン先に育っているバナナ畑

Guabaと呼ばれるフルーツの畑
途中、市役所の方が調査にやってきて、
「ダバオではオーガニック野菜を推進している。それもあり、オーガニックの人気は高くなっているんだよ」
と、教えて下さいました。
そのお話の通り、イパンの企業で仕事が終わる午後4時あたりから、沢山の人が市場にやってきて、どんどん商品を買っていきます。
市場に出店しているのはおよそ10の農家さんですが、どのブースも、人で溢れかえっていました。

市場で野菜・フルーツを売る様子
午後5時になると、市場にいる人がピタリと止まり、皆が同じ方向を向き始めました。
市場にいる人だけではありません。
普段はあれほど騒々しい街中や道路の植野車までも、すべてが止まり、胸に手を宛て、同じ方向を見つめています。
すると、すぐにフィリピンの国旗が降ろされ、国家が流れ始めました。
なるほど、国旗降納・国歌斉唱のために、みんなが止まり、一つになっていたのです。
フィリピンでは、月曜の朝に国旗掲揚と金曜の夕方に国旗降納があります。
その際には街中すべてがストップして、皆が国旗の方を向き、国家を斉唱するのです。
誰一人乱れることなく国歌斉唱するフィリピンの人々の姿に、非常に驚きました。
皆が一気に同じ方向を向き、自分がその群れから外れていることに気がついた時には、罪悪感すら抱いてしまうくらい、それほど綺麗な光景でした。

夕どきの市場に集う人々
家に帰宅し、早速、市場での国家師匠のことを他の国のインターン生に話しました。
すると、反応は様々。
「それって、当たり前でしょ、私の国でも同じだよ」
と行ってきたのはインドネシアのインターン生。
逆に、
「国歌の歌詞はわかるけど、大して歌わないなあ」
という反応があったのはモロッコとマレーシア。
「行事があれば歌うのは恒例だけど、毎週ほどではないよね」
という日本と同じ感覚だったのがベトナムのインターン生でした。
この件を通してフィリピン国民の愛国心の強さを感じました。
そんな姿を目の前で見ることができ、とても貴重な経験となりました。
また、国ごとの違いをすぐに話題にできるのも、多くの国からのインターン生がいる環境の特権だと思いました。
鈴垣優さん 2015年夏海外インターンシップ体験記 ▼連載1 『アジア所得格差1位の国、フィリピン』 http://voice.aiesec.jp/archives/4969 ▼連載2 『フィリピンでのウェルカムパーティ』 http://voice.aiesec.jp/archives/5035 ▼連載3 『美しい農村風景と、共存する過酷な現実』 http://voice.aiesec.jp/archives/5167
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