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11月20日ベトナム「先生の日」。インターンで体感した、教えてもらうことの貴重さ ――立教大学 廣瀬翼

こんにちは。2014年、ベトナムのハノイで日本語教師として6ヶ月のインターンシップに参加していた、廣瀬です。

私は半年間インターン生でありながら「先生」と呼ばれる立場でした。 「先生」として学生を教えていく中で、教師に対する意識や教師の社会的地位が日本とベトナムでは全く違うと感じる場面が何度もありました。

その一つに「先生の日」というものがあります。 今日はベトナムの「先生の日」についてお伝えします。

Quang Guai省へ出張授業をしたときの一枚。中央の浴衣姿が私。

 

「先生」が尊敬される国、ベトナム

ベトナムでは教師の給与は低いことで知られています。
平均月収が約$400(約4万円)と言われるベトナムの中でも、教師は$315(約3万円)と言われています。
(2009年ベトナム人材紹介 ICONIC調べ)

けれど、とても尊敬される名誉ある職業として有名です。

楽しそうに談笑する現地の先生と学生たち。Ha Tinh省。

元々、目上の人や年長者を敬う文化が根強いベトナム。
中でも「先生」が尊ばれるのは、「Uncle Ho(ホーおじさん)」と親しまれるベトナムの英雄ホーチミンが先生だったからとも言われています。

 

日頃の感謝を伝える「先生の日」

先生が尊敬されているベトナム。
その象徴とも言える日が11月20日「先生の日」です。

多くの学校は授業が休みになり、クラスごとにパーティを開くことや先生と学生が一緒にご飯に行くこともあります。

「先生の日、おめでとうございます」と言って、学生からお世話になっている先生に花束や日用品をプレゼント。

卒業後も、この日は田舎の学校に帰りお世話になってきた先生へプレゼントを届ける人までいるようです。

 

インターンシップ、帰国日が「先生の日」だった

2014年の海外インターンシップではこの「先生の日」が私の帰国日でした。
そうと分かった途端の周囲からの落胆の声が今でも忘れられません。

「先生、『先生の日』を知りませんか?一緒にやらないですか?」
「その日は『先生の日』だから田舎へ学校の先生に会いに帰らないと……見送れないじゃない!」

日本では聞き慣れない「先生の日」。
そんな日があるとも知らなかった私は周囲のその反応にとても驚きました。

最初はなぜそれほど残念がられるのか、なぜわざわざ田舎の出身校にまで帰るのか理解できませんでした。

けれど、ベトナムの友人に聞くとみんな「先生の日は学校で先生を祝う」と言います。
街の中では花屋とセールが増えている印象がありました。聞くと、それも先生の日のプレゼントのためなのだそう。

これは、ただ名前だけ付いている記念日ではなく、本当に文化として根付いている活動なのだなと少しずつ実感しました。

 

前倒しの「先生の日」、教師で良かったと思う帰国前の授業

最後の授業の日、そろそろ授業も終わるというときに一人の学生に「先生」呼びかけられました。
一斉にサッと立ち上がり並ぶ学生たち。
「先生、明日は『先生の日』ですね。そして先生は今日が最後ですね。日本でも、笑顔で健康でいてください。これは、僕たちからの感謝です。」
そう言って大きな袋を渡してくれました。

生徒や現地スタッフにもらったプレゼントの数々。スカーフ、マフラー、鞄、大豆のお菓子、コーヒー豆など。

別のクラスでは、終了間際に学生たちが急に相談を始め「先生、明日、私たちも空港行きます」と意思表明。
「ですが、明日みなさんは授業がありますよ?」と困惑する私に、
「はい。でも、行きます」と断固として譲らない学生たち。

そして現地スタッフと交渉開始。
翌朝、ピックアップに来た車の中には本当に彼らが座っていました。


Facebookには「Happy Teacher’s Day」と花束の写真を投稿してくれる学生も。

11月20日、Facebookのタイムラインに学生から投稿された花束の写真

インターンの6ヶ月はまだ学生で資格も持っていない私が「教える」立場でいいのかと悩み続けた半年でした。
でも、学生たちのメッセージと笑顔に、日本語教師という役割を担えてよかったと心から思いました。

帰国直前、学生たちと夜近場のショッピングモールへご飯に行ったときの様子

 

今までこんなに教えてもらうことに感謝してきただろうか

振り返ると、私自身が日本でこんなに先生・教えてもらうことへ感謝したことはないように思えました。
文化としてそういう機会もなかったように思います。

教師の日は調べてみると世界各国にありました。
1994年にはユネスコが10月5日を世界教師デーと制定しているそうです。
でも、日本では「教師デー」を意識したことも無ければ、知ってすらいませんでした。

毎日当たり前のように受けていた授業。当たり前と思っていた「教えてもらえる」環境。
けれど、自身が「教える側」に立ってみて、教えることは意外と大変だと体感しました。
「教えてもらえる」とは、実は当たり前のことではないのだと気が付きました。

ベトナムでの半年を通し、「教える時」も「教えてもらう時」も感謝し関わりを感じながら向き合っていきたいと強く思うようになりました。

日本でも2015年にNPO法人Teach For Japanが10月5日を「教師の日」に制定したそうです。

これを機に、ベトナムのように教えてもらうことにしっかり感謝し表現するような文化が日本にも広がればいいな、と思います。

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ベトナム 先生の日 海外インターン生の声
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廣瀬翼

Written by 廣瀬翼

2011年アイセック立教大学委員会入会。 2012年春6週間ベトナムのハノイでインターンシップに参加。 その後2年・3年とアイセックで活動後、2014年は1年間休学。 半年間ベトナムでインターンシップに参加。 2015年はVOICEの編集部として活動しています。

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