こんにちは!カンボジアはシェムリアップの教育NGOでインターンシップをしている鯉江です。
インターン先のNGOでは、英語教育だけでなく<音楽教育>に取り組んでいます。
内容はリコーダー、拍手でのリズム練習、ソルフェージュ(音名で歌うこと)、日本のうた、子ども達の知っている世界の童謡などさまざまです。

英語の授業後の、有志の生徒を集めた音楽授業の風景
実際の授業風景は写真の通りです。
8歳から13歳の生徒1人から5人を相手にした30分ほどのレッスン。
毎回授業に参加してくれるメンバーは異なりますが、常連さんがいるおかげで授業のレベルは着実に上がっていきます。
ソプラノリコーダーなら、最初は簡単な「シ」の音を、次に音のはじめと終わりの合図を教え、「ラ」、「ソ」、シとソのハーモニー、シとラとソを一拍ずつ連続で教えています。

英語授業後の、有志の学生を集めた音楽授業の風景
もちろん彼らに音楽を教えることは簡単ではありません。
カンボジアの公立学校には未だきちんとした音楽教育システムがありません。
そのため、私の想像以上にこども達の指は動かないのです。
音楽にも不慣れでリズム感や音感に弱く、授業がなかなか前に進みません。
また、話を聞かずに楽器を鳴らし続ける子や、「難しい」と途中であきらめてしまう子もいます。
それでもあきらめず、根気よく教え続けられたのは、生徒が笑顔になってくれるから。
「できた!先生見て!聴いて!」と得意げな笑顔、私の歌や演奏を聴いて「私も!」「僕も!」と希望に満ちた笑顔。
彼らのために、残り一ヶ月のインターンシップ期間で、一曲をみんなで演奏できるほどまでに教えてあげたいと考えています。
こんなことをしているのには理由があります。
私には、ある信念があるからです。
音楽を仲間と奏でることはチームワークを学ぶことにつながる、何かを奏でることができると自己表現の媒体が増えて人生がより豊かになる、そして勉強やスポーツだけじゃない音楽という新たな可能性を子ども達が持てるようになる。
しかしカンボジアの教育には、それが欠けています。
そのことが、どれだけのこども達の才能の芽を摘んでしまっただろう、もしも彼らが日本のこども達と同じように音楽の授業を受けられていたならば、今彼らはどう違っているだろう。
それを問題意識としているのです。
今は、目の前の彼らに、その可能性を得てもらいたい。
そしてこの先、音楽を通じてもっと多くの人に可能性をつかみとってほしい。
そんな思いで、カンボジアでの活動を続けています。
(カンボジア シェムリアップ発:大阪大学法学部2年鯉江真奈)
※この記事は2014年8月31日に執筆されました
鯉江真奈さん 2014年夏海外インターンシップ体験記 ▼第一回 『この街を愛し子供たちを理解したい』 http://voice.aiesec.jp/archives/3479 ▼第三回 『現地の日本人活動家突撃インタビュー ――カンボジア発 鯉江真奈さん[大阪大学]』 http://voice.aiesec.jp/archives/4332 ▼第四回 『大阪・石橋商店街で「カンボジア写真展」開催 ――カンボジア発 鯉江真奈さん[大阪大学]』 http://voice.aiesec.jp/archives/4341
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